YKK AP(東京都千代田区、堀秀充社長)は昨年、既存住宅の性能向上リノベ―ション事例を募集、表彰する「性能向上リノベデザインアワード」を創設。このほど、2022年度の受賞作品を決定し、3月6日に表彰式を執り行った。応募115作品の中から、最優秀賞はオーガニックスタジオ新潟(新潟県新潟市)の「松野尾の家」が受賞。計48作品が特別賞を受賞した。
同アワードは、断熱改修、もしくは耐震改修を実施したリノベーション物件を表彰するもの。毎年度テーマを設定して作品を募集する。22年度は「これからを暮らす家の新しいスタンダードをつくる」とした。
最優秀賞の「松野尾の家」は、築30年の木造平屋建て住宅のリノベーション事例。改修後は断熱等級6(UA値0.27w/㎡K)、上部構造評点1.74に。床面積を必要十分に抑え、廊下や活用頻度の少ない部屋を設けないなど、プラン上の工夫でも全館空調による増エネを防ぐ。
また、外壁の施工や内装の左官工事に、施主がDIYで参加し、満足している様子をYouTubeのルームツアーで公開した。ソフト面の工夫も含め、「現実的で確実な⽅法による断熱性能と耐震性能の向上を実現し、新築の家だけが選択肢ではないことを⽰した素晴らしい事例」と評価された。
同事例は、新築を一度は断念した施主が、自ら中古住宅を探し、リノベーションに至ったという経緯がある。社長の相模稔さんは、同事例の経験を通じ「リノベーションが人を幸せにできることがよく分かった」という。
所得があがらないのに建築費が上昇していく中、相模さんは、リノベーションの需要は増えるとし「リノベには今の時代、人を幸せにする力があることを再確認して、今後も取り組んでいきたい」と述べた。全受賞作品は特設サイトに掲載。
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