設計担当者が現場監督を兼ね、社員大工が木工事を担当。最少人数による分業スタイルで素材感を生かした住宅を手掛けるくらしき工務店(岡山県倉敷市)。前半は現場を重視した設計施工の仕組みと要点について、後半はその仕組みに基づく事例について代表の小野順央氏に聞いた。
会社の体制と設計施工の仕組み
◉同社の社員は小野氏と大工の2人。小野氏は営業から設計、施工管理、アフターメンテナンスまで担当。大工は基本的に大工事のみ。大工に現場監督を兼ねてもらうのが理想だが現実には難しい。
➡現場で作業をしながら材料の手配をしたり、工程管理や予算管理をしたりするのが難しいためだ。ただし、施工記録写真を撮ってもらうなどの軽微な作業は手伝ってもらっている。
◉社員大工すなわち会社の人間が現場に常駐しているということは、外部の職人からすると常に監視されていることになり、自然と緊張感が生じる。現場に社員大工が入る意味はそこにもある。
◉今のやり方だと小野氏の担当業務が多いが、10年近くこの仕組みで活動しており、年間棟数を3棟と決めているので支障はない。今の仕組みのなかで少しずつ効率性を高めてきている。
➡今後も棟数を増やすつもりはないため、現在のやり方に問題は感じていない。実際、来年までの受注は確保できている。
充実したプレゼン資料を無償で作成
◉プレゼン時には平面図と立面図、内外観の3Dパース、模型を作成。模型をつくるのは見込み客の反応がよいため。これらはすべて小野氏が手掛ける。契約まで着手金などはもらわないので、プレゼンは無償。
◉同社は年間3棟しかやらないと決めている。見込み客は・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー1・2月号(2023年1月30日発行)/設計施工を究める超家づくり術<高意匠×高性能編>』(P.56~)でご覧ください。
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