積水化学工業(大阪市)は、NTTデータ(東京都江東区)と共同で、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を建物外壁に設置した実証実験を4月より開始すると発表した。
まず、同社開発研究所の外壁に小面積を設置して課題抽出を行い、NTTデータのNTT品川TWINSデータ棟の外壁に設置して実証を行う。既存建物外壁への太陽電池モジュールの設置方法の確立、垂直面における発電効率の確認などを行い、今後、NTTデータのデータセンターやオフィスをはじめ、都心部の既存建物へのペロブスカイト太陽電池の導入を進めることで、脱炭素化に貢献していくとする。
フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟という特長を持ち、ビルの壁面といった垂直面や耐荷重の小さい屋根など様々な場所に設置が可能な次世代太陽電池。設置場所を広げることにより再生可能エネルギーの普及拡大を加速させ、カーボンニュートラルの実現に大きく貢献することが期待されている。
同社では独自技術により、フィルム型ペロブスカイト太陽電池開発の肝といわれる屋外耐久性において10年相当を確認している。また、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築しており、同製造プロセスによる発電効率15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。
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