日本政策金融公庫総合研究所がこのほど発表した「中小企業の脱炭素への取り組みに関する調査」によると、温室効果ガスの削減につながる取り組みを実施している企業の割合は全体では44.9%で、このうち建設業では43.4%の企業が実施していると答えた。
建設業で実施している割合が高かった取り組みは「リサイクル」(51.6%)、「リサイクル製品の使用」(50.2%)、「省エネルギー」(47.6%)、「エネルギー以外の資源消費削減」(43.7%)など。一方で「温室効果ガスの吸収」(28.1%)、「温室効果ガス自体の使用量削減」(32.4%)、「次世代自動車の導入」(32.9%)は、取り組んでいる企業の割合が低かった。
取り組みの達成度(10点満点・自己評価)の平均は全体では3.9点で、建設業は3.8点。建設業での達成度を個別にみると「リサイクル」(4.1点)、「リサイクル製品の使用」(4.0点)、「省エネルギー」(3.9点)が上位だった。
脱炭素ビジネスに関する質問で、「何らかの脱炭素ビジネスを行っている」と答えたのは全体の37.1%。建設業は40.8%で、業種別では不動産業(45.3%)、「小売業」(43.4%)、「飲食店・宿泊業」(42.3%)に次いで高い割合となっている。建設業での主なビジネス分野には、「省エネルギー」では高効率機器・断熱材・省エネ住宅などの製造・販売、「リサイクル」では建築廃材などのリサイクル、「温室効果ガスの使用量削減」では温室効果ガス使用の少ない機器の製造・販売などがある。
取り組みを行う上での課題については、「コストが増える」(23.0%)、「手間がかかる」(15.0%)といった意見が上位に。取り組みを加速させるために必要なものについては、「補助金・優遇税制」(21.6%)、「利用しやすい社会の仕組み」(9.8%)、「資金調達での優遇」(9.0%)などが挙がっている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。