大手不動産仲介業者などで構成する不動産流通経営協会(FRK)は2月21日、既存住宅流通量の地域別推計に関する独自の調査報告書を発表した。それによると2020年の全国の既存住宅流通推計量(暫定値)は前年比6.1%減の56万8000件で、同3万6600件の減少となった。一方、既存住宅流通比率(新設住宅を含む全流通量に占める割合)は前年比1.0ポイント増の41.0%でほぼ横ばい傾向にある。
都道府県別で既存住宅流通量が多いのは、東京都の12万5000件(同約2万件減)、神奈川県の5万8000件(同約1万件減)、大阪府の5万6000件(同約5000件減)など。既存住宅流通比率は、奈良県50.6%(同3.8ポイント増)、京都府および神奈川県48.9%(京都は同3.4ポイント減、神奈川は同4.3ポイント増)、東京都48.6%(同2.4ポイント減)の順に高かった。
東京都23区は13%減
関東圏のうち、東京都23区の既存住宅流通量は10万6000件で同13.1%の減少。墨田区・江東区、千代田区・中央区・文京区、新宿区などでの流通量が多かったが、前年比では同区を含む大半の区で減少している。所有権移転登記個数の減少や新型コロナウイルスの感染拡大が影響したと考えられる。最も減少率が高かったのは中野区で同30.6%減少した。東京都以外では神奈川県横浜市、同川崎市、埼玉県さいたま市、千葉県千葉市などで流通量が多かった。
関西圏では、大阪府大阪市(2万6300件)、兵庫県神戸(神戸市・他、1万5400件)、大阪府北大阪(高槻市・他、5900件)などが上位。中京圏は愛知県中央、愛知県熱田、愛知県名東、地方都市では福岡県福岡、北海道札幌が上位となった。宮城県仙台は、流通量は横ばいだが2019年より新設住宅着工総数が減少に転じ、流通比率が40%程度にまで上昇している。
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