経済産業省は2月21日、新電力の非公開情報が関西電力に漏えいし、閲覧・活用されていた問題で、関西電力に対して緊急指示を行った。法令等遵守体制や適正な競争環境の確保の取り組みの一層の強化を進めるため、外部人材を活用した検証体制を構築することなどを求めた。
この問題は昨年12月、関西電力子会社の関西電力送配電が管理していた新電力の顧客情報が、関西電力側から閲覧可能な状態となっていたことが発覚。関西電力の社員と委託先社員の1000人余りがこれらの情報を閲覧し、そのうち2割以上が営業活動に活用していた。
この事案を受け、経産省は1月16日に関西電力に対して、法令等遵守体制の整備状況やこの事案の発生原因と改善策の報告を求めた。これを受け関西電力は2月17日に回答を報告していた。
同回答ではこの事案以外にも、新電力顧客情報の閲覧や、「再エネ業務管理システム」へのアクセス事案、小売り顧客情報の漏洩に関する事案など、「法令等遵守の観点から懸念がある事案」の報告もあり、経産省は「法令等遵守体制や、適正な競争環境の確保の観点からの取り組みを一層強化していく必要がある」と指摘。改善策等の取り組みの実効性を高めるため、▽外部人材を活用した検証体制を構築すること、▽当該取組の実効性が不十分であると認められる場合においては、必要に応じて追加的な改善策を策定し及び実施すること、▽定期的な報告に加え、経済産業省のフォローアップに誠実に対応すること――を求めた。
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