大工棟梁が設計と施工管理を担うほか墨付けを担当。刻み以降は社員大工が現場を納める。大工技能を徹底的に活かした緻密な家づくりで知られる大瀧建築。前半は設計施工の仕組みと要点について、後半はその仕組みに基づく事例について代表の大瀧健太氏に聞いた。
ポイント1.会社の体制と設計施工の仕組み
◉同社は棟梁の大瀧氏含む大工4人と大滝氏の妻からなる5人体制。大瀧氏は営業と設計、施工管理を兼ねており、ほかの大工は専業。大瀧氏の妻はウェブでの発信を担当
➡大工は2人の肉親を含む。1人は大瀧氏の父親(先代[三代目]の棟梁)、もう1人は弟
◉木工事の分担だが、墨付けは大瀧氏が担当。刻みは主に弟が行う。以降、建て方から造作まで弟が中心となって木工事を進める。墨付け後、大瀧氏は現場監督として施工管理を担う
◉大瀧氏は工程管理や予算管理、資材発注や職人の手配のほか瑕疵保険の検査の立ち会いなども担当。そのほか必要に応じて枠回りなどの施工図を作成して職人に納まりを説明する
➡木材の追加発注や現場の進捗の報告など一部の管理業務は弟が行う
◉この体制は通常の設計施工、大工を分業した体制に比べて部分詳細図などが省略できるのが利点。口頭で使用材料や寸法、どの事例の納まりかなどを伝えると大工は理解可能なためだ
◉建て主から見ると、打ち合わせから現場まで大工棟梁が仕切っている安心感がある。大瀧さんに大工としても現場に関わってほしいという雰囲気を建て主から感じることもある
ポイント2.棟梁がシミュレーションも担当
◉大瀧氏が手掛ける設計の内訳は、提案用の基本プランと基本設計、実施設計、シミュレーション、見積り。構造材は手刻みなので伏せ図も作成する。確認申請は設計事務所に依頼
◉CADは・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー1・2月号(2023年1月30日発行)/設計施工を究める超家づくり術<高意匠×高性能編>』(P.41~)でご覧ください。
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