先月約1年ぶりに上昇に転じた米住宅建設業者の景況感は2月も改善し、2か月連続の上昇となった。建設コストの高騰や建設資材の供給逼迫など、依然として問題は山積しているものの、住宅ローン金利が落ち着いてきたこともあり、米建設業者は住宅市場回復の転機が訪れることを期待し始めている。
全米住宅建設業協会(National Association of Home Builders)がこのほど発表した2023年2月の「NAHB住宅市場指数(NAHB/Wells Fargo Housing Market Index)」は、前月比プラス7の42ポイントだった。7ポイントの増加はコロナ禍直後の混乱期である5〜7月を除いて2013年6月以来最大の上昇幅で、好調・低調を分ける50ポイントはいまだ下回っているものの、順調な改善傾向にあるとみられる。
NAHB住宅市場指数は、「一戸建て住宅販売の現状」、「今後半年間の一戸建て住宅の販売見込み」、「購入希望者の量」の3要素に対する住宅建設業者の認識を数値化したもの。50以下の数値は、住宅建設業者の景況感が低調であることを示す。
今月は先月に引き続き、3要素すべてで指数が上昇した。「一戸建て住宅販売の現状」は46ポイント(前月比プラス6)、「今後半年間の一戸建て住宅の販売見込み」は48ポイント(前月比プラス11)、「購入希望者の量」は29ポイント(前月比プラス6)となった。
地域別指数の3か月移動平均も、全地域で指数が上昇した。北東部は37ポイント(前月比プラス4)、中西部は33ポイント(前月比プラス1)、南部は40ポイント(前月比プラス4)、西部のみ微増して30ポイント(前月比プラス3)となった。
米30年固定金利住宅ローンは昨年10月に7.08%でピークを迎え、今年に入ってからは6%台前半で推移しており、再び激しい上昇に転じる可能性は低いとの見方が強い。全米住宅建設業協会は、しばらくは住宅ローン金利と住宅コストの変動が続くものの、今後数か月で建設市場は安定し、2023年後半から2024年初めにかけて住宅建設水準も回復していくとの予測を明らかにしている。
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