全米住宅建設業協会(National Association of Home Builders)が2023年1月に実施した「NAHB住宅市場指数(NAHB/Wells Fargo Housing Market Index)」の調査における特別質問で、米建設業者の間にインフレ率の上昇と高金利への懸念が急速に広がっていたことが明らかになった。
米建設業者への調査の結果、「2022年に建設業者が直面した重大な問題」としてトップとなったのは「建材価格」で、96%(前年比横ばい)の回答者が問題とした。「建材の入手性・入手に要する時間」がそれに続いており、86%(前年比5%減)の回答者が重大な問題だと回答した。
2021年と比較したとき、2022年には一部の問題への認識が顕著に深刻さを増している。「米経済におけるインフレ率の上昇」については、前年比で22%増の、85%の回答者が問題と認識。また、2021年に「高金利」を問題としていた回答者はわずか2%だったが、2022年は66%もの回答者がこれを問題とした。
2023年の予測においては、さらにこの傾向が加速している。「高金利」が2023年に問題となってくると予測する回答者の割合は、2022年、これを問題とした割合の66%を大きく上回り、93%に達している。今回の調査における66%の数値と93%の予測値は、いずれもこの10年で最高の割合となった。
現状においては資材等の供給サイドの問題が際立っているが、建設業者の多くが2023年には買い手側で問題が生まれてくるとみている。「買い手に警戒心を抱かせるメディア報道」については55%が問題としており、79%が2023年に問題となると回答。また、「待てば価格や金利が下がると期待する買い手」については49%が問題とし、80%が2023年に問題となると予測した。
多くの問題について建設業者の不安が強まる中で、建材に関する予測は比較的楽観的だ。2022年には96%が問題視した「建材価格」が2023年に問題となると予測したのは62%で、86%が問題視した「建材の入手性・入手に要する時間」が2023年に問題となると予測したのは50%だった。また、85%が直面した問題であるという「人件費・労働力の確保」についても、2023年に問題となると予測した回答者は73%に減少している。
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