住友林業(東京都千代田区)は2月15日、「2022年12月期連結決算」(2月14日公表)の説明会を開いた。今期の業績は、売上高が前年同期比20.5%増の1兆6697億700万円、営業利益は同39.2%増の1582億5300万円、経常利益は同41.6%増の1949億9400万円、最終利益は同24.7%増の1086億7200万円。2桁台の大幅な増収増益で、経常および最終利益は過去最高益を更新した。
光吉敏郎社長は「国内の戸建注文住宅事業が資材価格高騰の影響を大きく受けた。その一方で、米国住宅・不動産事業で販売単価や不動産開発物件の売却価格が上昇。為替が円安に推移した影響も合わせ、全体の業績が大きく伸長した」と説明。経常利益が2年後(24年12月期)の目標である1730億円を上回ったことから、「これまで米国で行ってきたM&Aや施工合理化が実を結んだ」と強調した。
木材建材は流通事業で大幅増益
事業別では、木材建材事業は輸入木材・国産材高騰による流通事業の増益、海外製造事業の収益性改善が奏功し、売上高は同26.2%増の2737億円、経常利益は同49.0%増の149億円と大幅な増収増益に。国内の住宅・建築事業は戸建注文住宅の受注が棟数・金額ともに前期を下回ったが、ZEH住宅など高付加価値商品の拡販や販売単価上昇により、売上高は同4.4%増の5335億円となった。経常利益はコスト上昇の影響を受けて同19.1%減の159億円。海外住宅・不動産事業の売上高は同31.7%増の8487億円、経常利益は同54.6%増の1613億円。
資源環境事業は売上高が219億円で同1.9%の減少。利益面はニュージーランド森林事業の業績低迷、国内バイオマス発電事業での燃料調達コスト上昇などが響き、経常利益が同64.6%減の14億円と大幅に落ち込んだ。リフォーム事業は「住友林業の家」のオーナーからの受注が堅調に推移し、受注・販売ともに前期比プラスとなった。
来期は減益予想 循環型森林ビジネスなどに注力
2023年12月期は米国での住宅市況悪化が予想されることや、好調だった2022年との比較により、売上高は同4.3%減の1兆5980億円、営業利益は同35.9%減の1015億円、経常利益は同38.5%減の1200億円、最終利益は同29.1%減の770億円となる見込み。2030年の経常利益目標2500億円に向け、▽循環型森林ビジネスの加速化▽欧州市場での中大規模木造建築事業の拡大▽高付加価値商品の拡販▽DX導入・外構一体契約・施工合理化の推進―などに注力する。
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