住友林業(東京都千代田区)とIHI(東京都江東区)は2月14日、合弁会社「NeXT FOREST」(東京都千代田区)を2月7日に設立し、熱帯泥炭地を適切に管理するコンサルティングサービスを開始すると発表した。「経済林」と「保護林」を設定し、経済性と社会環境の持続を両立させるよう管理する。植林企業・農園企業などにAIモデルによる適切な管理計画を提案し、温室効果ガスの排出を削減していく。
住友林業がインドネシアの熱帯泥炭地で構築した高精度な地上観測システムと、IHIが航空・宇宙分野で培ったドローンや人工衛星データの利用技術、気象観測・予測技術を掛け合わせて、熱帯泥炭地の情報をリアルタイムで収集・提供する。まず、インドネシアの熱帯泥炭地を対象にコンサルティング事業を開始。住友林業が蓄積した熱帯泥炭地のさまざまなデータをベースに、適切な泥炭地管理を行うAIモデルと地下水位、気象情報をリアルタイムでモニタリングする観測システムを導入する予定。
森林や土壌の炭素吸収量や固定量を正確に測定し、自然資本の価値を適切に評価することで「質の高い炭素クレジット」創出の事業化もめざす。同事業は、NeXT FOREST社、住友林業、IHIの3社が連携して技術開発を行い、熱帯泥炭地の評価手法を確立。気候変動対策と自然資本の保全に貢献するとともに、国際的なスタンダード化をめざす。
熱帯泥炭地は、植物の遺骸が水中で分解されないまま泥炭が堆積した土地。地下水位が下がり乾燥すると、炭素を多く含む泥炭が分解・消失するだけでなく燃えやすくなるため、適切な管理が極めて重要となる。
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