設計施工の連携がよく現れた事例として、37design(鹿児島県日置市)の事例を紹介する。
ほぼ扇状に変形した狭小地に、小さいながらも確かな存在感を放つ「H邸」は、敷地奥から扇状に開いていく美しい屋根が道行く人の目を引く住宅だ。
ポイント1.部分的に木質化した情緒のある外観
◉30代夫婦が2人で住む家。法22条区域に位置し、敷地面積は50坪を切る街中の狭小地。坂道に面した扇状の土地で、前面道路はアール状に回り込むような上り坂になっている。延べ床面積は約18坪で、建て主が平屋希望だったため平屋を選択
◉今回の事例は外観から検討。坂道に面している部分を森のような斜めの庭にしたいと最初に浮かび、それを眺める家にできないかと考え、不整形ではあるが五角形の屋根をかけることにした
◉外壁には、前面道路から見える3面は木質化した外観にするために板張り(法22条区域のため防火認定がとれたもの)を、裏側はコスト面や施工面を考慮し、屋根に使用したものと同じ金属サイディング(ガルバリウム鋼板)を採用。前面は板張りで雨等で傷みやすいため、長い庇をかけるようにした
◉玄関扉のラインが外部収納の扉とそろってしまうとと「情緒がなく」(味園氏)、さらに木の扉が2本並ぶ形になると違和感があるため、玄関側を少し奥に引っ込ませるよう調整
ポイント2.屋根をより美しく見せる棟まわり
◉敷地の左奥の1点に向かってすべてが集まっていくような扇屋根。坂道の上から見ると屋根しか見えないので、美しさをとくに意識した
◉振れ隅木を採用し・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー1・2月号(2023年1月30日発行)/設計施工を究める超家づくり術<高意匠×高性能編>』(P.39~)でご覧ください。
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