田中工務店(東京都江戸川区)が2022年7月に竣工した「金町の家Ⅲ」は東京都内東部に建つ防火構造の木造2階建て住宅だ。随所に無垢材による造作やオリジナル建具がちりばめられ、田中工務店らしさが存分に発揮されている。玄関・キッチン周りを中心に木の使い方を見てみよう。
ポイント1. 求められる断熱性や防火規制を確実にクリア
◉防火構造とするためモエン大壁工法(モエンパネル+ジョリパットネオ∞仕上げ)とし、室内側に石膏ボード12.5㎜厚を張る。耐震性は許容応力度計算による耐震等級3とし、長期優良住宅認定を取得
◉防火構造で石膏ボードを横架材まで張り上げる、などの注意点は要綱書で設計から大工に伝達する
➡防耐火規制を受けない地域であっても「火災保険料を安くしたい」など顧客の希望で防耐火構造にする場合もあるため、理由を設計から現場にきちんと伝える
◉外壁、屋根の断熱材はセルロースファイバーで、外壁120㎜厚、屋根300㎜厚を施工。下部はネオマフォーム100㎜厚で床断熱とした。UA値は0.41W/㎡・K
➡費用対効果を考慮すると、断熱性能はG2.5レベルが適切な水準の上限と考える。敷地も狭いため、付加断熱をするとしても30~40㎜厚が限度であり、G3レベルは地域性としても難しい
ポイント2. 造作でプランをより自由に
◉造作家具・建具の利点は既製品にはない寸法をつくれること。㎜単位で制作できるので、狭小地 の住宅でもプランニングの自由度を高められる
➡面積が限られていると逃げがつくりにくいので、・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー1・2月号(2023年1月30日発行)/設計施工を究める超家づくり術<高意匠×高性能編>』(P.28~)でご覧ください。
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