河村電器産業(愛知県瀬戸市)は、電気火災を未然に防ぐ「プレトラックコンセント」25個を、昨年10月に世界文化遺産である平等院(京都府宇治市)に寄進した。
「プレトラックコンセント」は、同社独自開発の検出回路でトラッキング火災を防止する。今回、貴重な文化財を火災から守るため、鳳凰堂 尾廊、浄土院 御堂・広間、寺務所、守衛室に設置した。参拝者の目につく場所などは、よりデザイン性を追求した「プレトラックコンセント スクエア」を採用している。
国内の火災件数が減少傾向にあるなか、電気設備機器火災は近年増加している。東京消防庁によると、2021年度中の火災件数は1399件で前年比236件増加。電気設備機器火災の割合は35.6%で、トラッキング現象による電気火災は前年比27件増の122件と、最近5年間で最も多くなっている。
同社は、電気火災をなくしたいという考えのもと、2006年に「プレトラックコンセント」を開発。2014年からは各地の寺社仏閣や重要文化財などの木造建築を電気火災から守るため、コンセントの設置を進めている。
今後も、重要文化財や歴史的価値のある建物・施設などへの同コンセント設置を推進しながら、配線器具からの電気火災防止に向けた活動を行うとしている。
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