住宅生産団体連合会は2月8日、ハウスメーカーなど15社を対象とした「経営者の住宅景況感調査(令和4年度第4回)」を報告した。令和4年度第3四半期(令和4年10~12月)の総受注実績は受注戸数が-50ポイント、受注金額が-18ポイントとなり、戸数は6期連続、金額は3期連続のマイナスとなった。「こどもエコすまい支援事業」による受注へのプラス影響もあったが、先行きの不透明感などから「顧客の動きが停滞気味」と捉える傾向が見られた。
第4四半期(令和5年1~3月)の受注見通しは受注戸数-23ポイント、受注金額±0ポイントで戸数は3期連続のマイナス予想。「集客数やマインド回復に時間が掛かる」「顧客の資金計画の変更により受注までが長期化する」との見方がある一方で、各種支援策の活用や高付加価値提案により受注を目指すといった声もあった。
低層賃貸は大型物件が好調
部門別の実績では、戸建注文住宅の受注戸数が-43ポイント、受注金額が-12ポイントと戸数・金額ともに5期連続のマイナスに。厳しい状況が続く中、富裕層向けや大型物件は堅調。電力不足やエネルギー価格高騰を背景としたZEH、蓄電池搭載も好調だった。戸建分譲住宅は受注戸数が-56ポイント、受注金額が-33ポイントで、全体では6期連続のマイナスとなったが、在庫状況などにより各社の結果が分かれている。
低層賃貸住宅は受注戸数が-32ポイント、受注金額が+9ポイント。駆け込み需要の反動もあったが、大型物件の受注や投資用賃貸が好調とのプラス要因を挙げる企業が目立った。リフォームは受注金額が-4ポイントで5期ぶりのマイナスだが、「(5~10%)良い」と答える企業が「変わらず」「悪い」と答えた企業よりも多かった。
戸建は停滞予想、リフォームは大型改修に期待感
部門別の見通しでは、戸建注文住宅は-29ポイント、受注金額は-12ポイントとマイナス予想に。インフレ、住宅ローン金利などによる先行き不安、賃金上昇を伴わない物価上昇など、依然厳しい状況が続く見通しで、顧客ニーズに合わせた提案が求められる。戸建分譲住宅は受注戸数-11ポイント、受注金額は±0ポイントで、戸数は7期連続マイナスの見通し。販売在庫の減少が不安要素として上がった。低層賃貸住宅はZEH賃貸住宅の販売増加、相続対策・建て替え需要などへの期待感から受注戸数±0ポイント、受注金額+23ポイントに。好調が続くリフォームは受注金額+27ポイントと次期もプラス予想となった。各種補助金制度などの後押しで2世帯改修やリノベーションなどの大型改修が進むと期待する。
調査は、令和5年1月上旬に住団連と住団連団体会員の会員企業の経営者にアンケートし、回答を得たもの。回答者は、旭化成ホームズ、一条工務店、大野建設、サンヨーホームズ、スウェーデンハウス、住友林業、積水化学工業、積水ハウス、大東建託、大和ハウス工業、トヨタホーム、日本ハウスホールディングス、パナソニックホームズ、ミサワホーム、三井ホーム(敬称略、五十音順)。
受注戸数・受注金額の直近3カ月間の実績と今後3カ月間の見通しを、対前年同期比「10%程度・以上良い、5%程度良い、変わらず、5%程度悪い、10%程度・以上悪い」の5段階で調査。「良い」の割合から「悪い」の割合を差し引いた値を景況感指数として数式に当てはめて数値化している。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。