旭化成ホームズ(東京都千代田区)は2月7日、「二世帯住宅の日(2月10日)」を前に、二世帯住宅に関するデータを公表した。それによると、同社で契約した顧客のうち、75歳以上の家族と親子同居を予定している割合が、2015年の26%から、7年後の2022年には47%へと大幅に増えていることがわかった。
2020年の国勢調査および国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、2025年に向けて75歳以上と50代の人口が大きく増えている。かつては、二世帯住宅居住の親世帯は60代、子世帯は30代が典型的だったが、これからは親世帯75歳以上、子世帯50代以上が多くなることがデータからも予想される。
2022年の年代別人口の転入超過数をみると、東京23区は主に15歳~20歳代の大量の転入超過によって、全体では2021年の転出超過から転入超過に転じている。一方、二世帯住宅の子世帯世代となる30歳~44歳では、都心から郊外への転出傾向が2020年から加速している。東京23区はコロナ禍前の2019年には60人の転入超過であったのに対し、2022年は2万2405人の転出超過となった。このうち9割強が都下および神奈川、埼玉、千葉の東京圏へ転出している。在宅ワークの定着によって、会社に近い都心部から在宅ワークが可能な近郊・郊外に住まいを求める傾向が続くと推測され、都市近郊に住む親世帯との同居を促進する可能性もあるとしている。
■高齢の親との同居率上昇でシェア二世帯が多くなる可能性も
同社は2020年の調査結果において、二世帯住宅の家族構成が「親ひとり世帯」や「娘夫婦同居」の場合、キッチンが1つなどシェア志向が高いことを指摘している。今回、母の年齢別シェア二世帯(キッチン1つ、またはキッチン1つ+ミニキッチンの二世帯住宅)の割合を、契約時アンケートの同居予定家族から分析したところ、母の年齢が高いほど割合が高くなっていることがわかった。高齢の親との同居率上昇にあわせて、シェア二世帯割合が高まることが予想される。娘夫婦同居の比率も、2021年に過去最高の47%に達し、増加傾向が続いている。
「二世帯住宅」という言葉は、同社が1975年に発売した「二世帯住宅シリーズ」から生まれ、核家族化の時代とともに親世帯・子世帯が空間を住み分ける住まいとして提案。現在では、独立性の高い暮らしと自由を保ちつつ、両世帯がサポートし合う現代ならではの二世帯住宅へ進化している。
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