北海道や東北と同じくらい冷涼で、セントラルヒーティングによる全室24時間暖房が一般的であるドイツでは、一般住宅でのエネルギー消費の約7割は暖房熱、給湯も含めた熱消費は9割弱だ。最終エネルギー消費に占める住宅の熱消費(暖房と給湯)の割合は27%(633TWh)と高く、CO2排出の11%を占めている。問題解決のためには、発熱設備のリニューアルや躯体の省エネ改修の2つの部門での取り組みが必要だ。昨今のエネルギー情勢を踏まえ解説する。
住宅の熱源の構成を見ると、約50%住居(世帯)がガスのセントラルヒーティング(一部フロアごとのヒーター)、約25%が石油のセントラルヒーティング、約14%が地域熱(熱源はガス、木質バイオマス、工場排熱など)で、将来有望視され、新築では半分近くを占めているヒートポンプは、 まだ全体の2%ほど(2019年)。
ドイツの電力消費に占める再生可能エネルギーの割合は45%(2020年)と高いが、住宅の熱エネルギー部門では90%近くを化石燃料に・・・
この記事は新建ハウジング1月30日号 7面(2023年1月30日発行)に掲載しています。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。