環境配慮型建築を手がけるADX(福島県二本松市)が建築した木造メガストラクチャーハイブリッドビル「KITOKI(キトキ)」が、東京都主催の「ウッドシティTOKYOモデル建築賞」において最優秀賞(知事賞)を受賞した。
同賞は、東京都が木材利用の新たな可能性を開拓する革新的・モデル的な都内の非住宅建築物および木質空間を表彰するもの。木材の大消費地・東京において、新たな木材需要を喚起することで、多摩地域をはじめ全国の森林循環を促進し、林業・木材産業の成長を図ることを目的としている。
審査では国産材の特徴や良さを生かし有効活用しているもの、先進的な木材利用の普及に寄与するもの、都市部における建築物の木造化・木質化の波及に寄与するものなど、さまざまな基準から選出。今年度は応募された作品のうち、最優秀賞1件、女性活躍賞1件、オフィス木質化賞1件、その他奨励賞6件が選定された。
キトキは都市建築における木の可能性を拓くことを目指した木造ハイブリッド・都市型高層建築物。平和不動産(東京都中央区)が推進する日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクトの中で完成した。特徴としてSRCメガストラクチャーと耐火木造を組みあわせたハイブリッド構造を採用しており、RC造による3層飛ばしのメガストラクチャーの内側に、3層ごとに木造建築を組み合わせた10階建てのオフィス兼店舗として建築された。
建物全体の構造性能はRCメガストラクチャーにより担保し、その中に木造3階建ての建物を自立させることで建物全体が軽量化され、地震力や基礎等への負担を軽減。将来的な増改築も視野に入れた合理的な構造となっている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。