三井ホーム(東京都新宿区)はこのほど、同社設計・施工の医療施設「(仮称)金澤病院」(事業主:医療法人三世会)を1月に長野県佐久市で着工したと発表した。2024年4月竣工、同年6月開所予定。
同施設は、1965年築の病院施設の老朽化を機に、隣地の現駐車場に移転する新築計画によるもの。地域に親しまれる“かかりつけ医”の病院を再構築するという基本構想のもと、安全性と快適性、環境への配慮を重視した結果、木造枠組壁工法を採用。医療・介護分野など施設建築の実績がある同社が施工することとなった。敷地面積約4354㎡、延床面積約3901㎡。今回の大規模木造病院施設の建築は、昨年11月に千葉県佐倉市に竣工した「佐倉整形外科眼科病院」に続く取り組み。
同施設は木造枠組壁工法による耐火建築物で、1時間耐火構造の基準をクリア。床面・壁面・天井面の六面体で構成するモノコック構造で、開放的かつ効率的な空間設計が可能なため、利用者やスタッフの健康や効率的な動線にも配慮した設計提案を行っている。快適で機能的な院内環境を提供するとともに、医療体制の変更にもフレキシブルに対応できる建物の可変性に配慮した設計となっている。また、同社独自技術の「高性能遮音床システムMute(ミュート)」を、病室や手術室の上階の床に採用し、RC造と同等クラスの遮音性能を確保した。
建築に木材を使用することで、建設時のCO2排出量を大幅に削減。また建物内に炭素を長期間にわたって固定化し、脱炭素に貢献する。同施設では、構造体の一部に地元材である信州カラマツを採用し、国土交通省の補助金である2022年度の「優良木造建築物等整備推進事業」にも採択されている。
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