日本不動産研究所(東京都港区)と不動産関連企業の7者からなる「不動産分野におけるレジリエンス検討委員会(D-ismプロジェクト)」は、不動産に関する新たな認証制度「ResReal(レジリアル)」を創設した。1月27日からサービスを開始している。
「ResReal」は、個々の不動産の災害に対するレジリエンス(弾性力、回復力)をスコア化し、5段階で認証するもの。スコアリングは、不動産のレジリエンスを構成する4つの観点(頑強性、冗長性、即応性、代替性)から、土地、建物及び運用についてそれぞれ評価。土地情報だけでなく、建物や運用面を加えて体系的に評価するため、同一の立地条件にある建物であっても、ハード・ソフト対策を講ずることによって、レジリエンスの評価が高まるような仕組みとなっている。
スコアリングの手順は、依頼者がスコアリングシートに個別不動産の情報を記入し、認証機関に提出。認証機関は評価機関と連携のうえ、提出されたスコアリングシートの内容を評価し、100点満点でスコア化する。認証ランクは、最もレジリエンスが高いプラチナからスタンダードまでの5段階評価。評価メニューは水害、高潮、地震・津波、土砂災害、噴火、猛暑の6つ。水害版から運用を開始し、今後順次拡張していく予定だという。
「ResReal」は、不動産に関わる様々な関係者にとって多様な活用方法が考えられるとし、なかでも、個別の不動産に対する認証を所有者に対して付与するため、不動産所有者にとって最も多くの活用方法があるとする。たとえば、認証を受けることで、保有する不動産のレジリエンスを可視化することが可能になり、それらの不動産のレジリエンス向上のための具体的な対策を見出すことができる。また、ESG指標における評価向上材料にもなりうるとする。そのほか、金融機関や鑑定機関などの不動産を評価する立場の企業は、不動産価値を評価するための新たな尺度としての利用が可能。ゼネコンやデベロッパーなど、不動産の供給者にとっては、自然災害に強いレジリエントな建物開発の指針となることが期待される。
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