地域材を活用したパッシブハウスレベルの家づくりを手がけるアーキテクト工房Pure(愛媛県松山市)は、カーポートを含む外構工事でも地域材を積極的に採用しながら、全体の意匠性を高めている。代表の髙岡文紀さんにカーポートのプランニングや施工のポイントについて聞いた。
EAT20・G3のパッシブハウスに近い温熱性能を備える住宅の木造カーポート。敷地が100坪近い広さがあることに加えて、間口よりも奥行きが長い形状、正面(南面)に接する道路から奥に向かって60~70㎝程度の高低差があるという条件などを踏まえて、建物との一体型ではなく独立型のカーポートを選択した。
敷地条件を踏まえて独立型に、
住宅との意匠的なバランスを整える
◉敷地が、建築基準法第 22条指定区域のため、建築確認で車庫として申請し、不燃材として梁の内側に6㎜厚のケイカル板を張った
◉カーポートの正面から車が2台入るということや、住宅との行き来もしやすくしてほしいという施主の要望を反映し、できるだけ壁の少ないオープンなプランとした
◉独立型のカーポートの構造にスチールなどを用いることもあるが、今回は最初から木造で計画。住宅の外壁に採用している木板との意匠的なバランスを考慮して判断した
◉屋根の形状は、住宅との調和を踏まえて折版屋根とし、住宅の屋根と逆向きで同じ勾配とした。これにより、住宅との意匠的なバランスが整うと同時に、カーポートの雨樋が正面(道路面)に来ないようになる
◉すのこ板張りの壁についても、住宅との意匠的なバランスを考慮し、住宅の外壁に使われている愛媛県産材のスギ材を採用。住宅と同様に地域材の活用を積極的に提案している。住宅とカーポートに対して一体的に地域材を用いることにより、地域材の魅力をより伝えやすくなると同時に、工務店ならではの既製品に頼らない独自性の高い提案が可能となる
金物工法によりオープンな計画に
◉壁の少ない開放的なプランにするために壁量計算を行い、壁にはそれぞれ筋交いをダブルで入れた。住宅と同じ金物工法を採用。柱は県産材のスギで、梁にはアカマツ集成材を用いている。金物工法は、・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー12月号(2022年12月10日発行)/テラス・ポーチ・カーポート 超鉄板ディテール<半外部編>』(P.80~)でご覧ください。
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