LIXIL(東京都品川区)は1月31日、2023年3月期第3四半期決算(IFRS)の概要を発表した。第3四半期(9か月累計)の売上高は、前年同期比5%増の1兆1238億円、事業利益は前年同期比408億円減の210億円、最終四半期利益は同305億円減の110億円となった。資材や部品の高騰、円安、サプライチェーンの混乱など厳しい外部環境の影響を受けて増収減益となったが、直近の3カ月では国内の価格改定効果も出始めて収益性は改善している。価格適正化などに戦略的に取り組むことで、第4四半期も引き続き収益性改善を見込む。
水まわり事業のLIXIL Water Technology(LWT)の日本事業の売上(9か月累計)は、価格改定効果やリフォーム向け製品が好調だったことにより、前年同期比1%増の3155億円となった。住宅性能・快適性の向上を目的としたリフォーム需要は引き続き堅調で、国内事業のリフォーム商材の売上構成比は、前年同期比で1.6pt上昇し49%に。事業利益は、資材価格上昇の影響により、前年同期比16.9%減の224億円だった。
住宅建材事業のLIXIL Housing Technology(LHT)の売上(9か月累計)は、好調な海外事業と国内リフォーム需要の増加により、2.9%増の4543億円となった。事業利益は、円安と資材価格上昇によるコスト増を受け、前年同期比49.3%減となる155億円だったが、直近3か月間では、事業利益が第2四半期の29億円から95億円へと拡大し、収益性が改善。価格改定とリフォーム向け高性能サッシ販売の好調が寄与した。
瀬戸欣哉社長は、特に2022年度の補正予算で計上されている窓の断熱改修を対象とした1000億円の補助金を大きな転機と捉える。「新築需要の減退で厳しい状況ではあるが、今回の補助事業により窓リフォームがさらに注目されるだろう。これまで水回りがメインだったリフォームが、外壁や窓リフォームへ広がる」と期待感を示した。「リフォーム用の窓や内窓をこれまでの3倍増産できる体制を整えている」とも話し、リフォーム需要への対応にさらに力を入れていく考えだ。
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