AGC(東京都千代田区)は1月27日、グループ会社のAGCアメニテック(東京都台東区)が2022年に開発した硝子工事積算システム「R7」を用いて、サプライチェーン間でガラスの品種や数量情報などのデータをクラウドで連携するトライアルを開始したと発表した。本格的な運用は2023年上期中に開始する予定という。
工事店や卸売店などは、ガラス工事の見積書作成に特化したAGCアメニテック社のシステムを導入していたが、これまでは導入した顧客間ではデータ連携を行っていなかった。そのため、サプライチェーンの各工程で発生する膨大な入力業務や、FAXなどのアナログデータが連携できないことなどが課題となっていた。硝子工事積算システム「R7」は、クラウドによるデータ連携が可能で、工事店・卸売店の間でガラスの品種や数量情報などをシームレスに連携、取り込むことができる。手入力業務の削減、見積もり作業の時間短縮、入力の抜け漏れや間違いの防止など、サプライチェーン全体での業務効率化が可能になるとする。昨年6月から実施しているトライアル運用では、卸売店の見積入力業務が月間約20時間削減できたという。
今後、DXを加速し、ガラスメーカー・卸売店・工事店の間でデータを連携。正確かつタイムリーに情報をやりとりすることで、国内の建築ガラス業界のサプライチェーンの効率化と働き方改革の実現を目指す。
AGCグループは、中期経営計画において、長期経営戦略「2030年のありたい姿」を実現するための戦略の一つに「DXの加速による競争力の強化」を掲げる。研究開発・製造・営業などあらゆる業務のビッグデータやデジタル技術を活用し、業務の効率化をはかるとともに、ビジネスプロセス全体の変革を通して顧客や社会に対する新たな付加価値の提供を目指している。
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