意匠と機能のせめぎ合う要素の1つがカーポートだ。車の出し入れを考えると敷地の前面に配置されるために非常に目立つ存在だ。母屋とカーポートを1つにまとめることで機能性と意匠性を両立できる。その設計手法について菊池組の菊池洋壽氏と菊池真壽氏に話を聞いた
カーポートと物置を下屋にまとめる
◉事例「N邸」の敷地は約90坪の自社分譲地。道路付けは東側。南に開いて日射取得を図るため、カーポートで目隠しをしてその裏側に庭を配置。駐車場は家族用2台と来客用1台分を要望された
◉同社の営業圏は降雪期間が長い。1月は常時30~70㎝積雪する。雪掻きの手間を軽減する屋根付きカーポートは必須。冬用タイヤや冬季スポーツの用具、自転車を仕舞う3坪の外物置も必要
◉降雪時期には除雪器具を使う頻度が非常に高い。雨や雪に濡れずに母屋と物置を行き来できると、雪掻きなどの手間とストレスが軽減する。外物置はなるべく母屋とつなげて設置
➡︎上記の条件から母屋とカーポート、物置を一体化した下屋を設けて、外観上のアクセントとなるように各部の仕上げや納まりを調整
カーポートと玄関の構成
◉2台用のカーポートは3×3間(床面積29.86㎡)が定番。30㎡以下で側面が開放的など一定の条件を満たせば内装制限を回避できる。さらにシャッターを省略すると固定資産税に参入されない
➡︎車好きな建て主からシャッターを要望された場合、内装制限に対応するために木毛セメント板などの不燃板で仕上げる
◉カーポート部分は・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー12月号(2022年12月10日発行)/テラス・ポーチ・カーポート 超鉄板ディテール<半外部編>』(P.72~)でご覧ください。
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