人的リソースを図る
具体的には、たとえば、ある営業パーソンの能力を評価したいのなら、過去3年間の成績を見れば、十分です。
この場合、大昔のデータは必要ありません。売上額と利益を1年単位で区切って見てみます。工事担当なら過去3年間に扱った現場の数と利益率。変化を読むためには、時間の枠で制約を賭ける必要があります。必ず区切って数字を出して下さい。
なぜ期間を区切らなければならないか。
仮に違う営業パーソンが、同じ仕事を請け負ったとしましょう。我々工務店でしたら、全く同じ家を全く同じ前提条件で建てたとします。請負額は、同じですから、売上額も同じはずです。
でも必ずそこには、見えない差異がある。なぜならば、請負額は同じだとしても、それを終えるのに、どれだけの工期を必要としたかで利益は大きく変わってしまうからです。
1年、可能なら4半期ごとにどれだけの売上でどれだけの利益を出せているのかを見てみます。時間で区切らなければ、数字が意味を持たないのです。
もうひとつ、時間の区切りがないと変化も成長の度合いも読めません。
もし一昨年度と昨年度の利益率が同じなら、今度は実際の金額の変化を比べてみる。時間を区切ることで、客観的な現状把握を行います。
その時々の市況によって、利益率は横ばいであったりマイナス方向に向かっていることもあるでしょう。
個々の社員の評価をするときに、大企業でない場合は特に、ちゃんとした数字をはじかないで、「あいつはこういう奴だから」といったイメージ的な評価をしてしまいがちですが、その前に、まず数字をはっきりさせましょう。
そこから社内のコミュニケーションを円滑にするような好ましい人間性や、その他の数値に上がりにくい貢献度合いを足したり引いたりしましょう。
道徳的な話は抜きにして、ビジネス上は人の能力は数字で表すことが可能です。これは私の感覚的なものですが、社員の人事評価は数字で表せる成果で8割、残り2割を数値化できない人間性で評価するくらいが適切ではないかと思います。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。