中小工務店が地域で勝ち残っていくために「ローカル・ニッチ・トップ」を目指しましょう!という流れでお話を続けます。今回は過去の読み方を中心にお話を進めていこうと思います。
[1]本質から考える工務店経営1 コストダウンの本質
[2]本質から考える工務店経営2 素ラーメンをつくる
[3]本質から考える工務店経営3 売れる素ラーメンの作り方
[4]本質から考える工務店経営4 とにかく一番を目指そう
[5]本質から考える工務店経営5 商圏を本気で考える
[6]本質から考える工務店経営6 自社のリソース=己を知る
自社のリソースを評価するにあたって、決して外してはいけないファクターを覚えておられるでしょうか。
そうです、「時間という軸」です。
リソースを計るには、成果とそれにかかった時間を合わせて考えなければなりません。単純に出来る・出来ないだけで能力を図り、経営方針を決めるのは危険です。
出来るにしてもどの位の時間がかかるのか。その時間をかけるだけのリターンが見込めるのか。ビジネス上ではまさしく「タイムイズマネー」であることを、常々意識しておく必要があります。
もちろん毎日精進して仕事をしているならば、能力は向上していきます。工事にしても営業にしても、マニュアルがあったとしても最初は勝手が分からず時間がかかります。
たとえば、最初は半日かかっていた業務があるとして、回数を重ねる度に自分なりの要領を得て8割7割、熟練すれば半分の時間で出来るようになることは多々あります。
時間を区切る
さて私たちがなにか新しいことを始めようとしたときに、どれだけの期間でどれだけの能力の向上を見込めるでしょうか。
能力向上のスピードは人により組織によりばらつきがありますが、それをどうやって予測すれば良いのか。
人や組織の未来の能力を予想したい、そんな時には、他の類似事例を参考にすることも出来ますが、データがあるなら対象の人や組織の過去を読まない手はありません。
過去を読むときのコツは、時間を区切ること。残っているデータをただ漫然と数字にしてみても、あまり意味がありません。私たちは意思を決定するために、過去を「知りたい」のではなくて過去を「読みたい」のです。
つまり、この過去のデータがどの位の能力を表しているのかが、知りたいわけです。過去の数字から何かの意味を知るためには、データを時間で区切る必要があります。
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