文部科学省は1月17日、令和3年度の公立学校施設における木材利用状況調査の結果を発表。新しく建築された全ての学校施設のうち75.4%が木材を使用していることを明らかにした。
文科省は木材利用推進に取り組んでおり、全国の公立学校施設を調査。新しく建築された690棟のうち、520 棟(75.4%)が木材を使用し、令和3年度に整備された学校施設では48,185㎥の木材を使用。うち、13,818㎥(28.7%)が木造施設で、34,367(71.3%)が非木造施設の内装木質化等において使用された。48,185㎥の木材使用量は炭素貯蔵量が約2.9万tとなり、これは約1万世帯が1年間に排出する炭素量にあたる。
千葉県流山市立おおぐろの森中学校ではLVLや製材、CLT等を用いたデザイン性の高い校舎とし、純木造で透明性の高い外観と開放的な明るい教室を実現。愛媛県鬼北町立広見中学校では柱・梁は県産材を利用すると共に造作は町産材の桧を利用し、地域に流通する材を多用することでコストを抑制するなど、各施設によって特色のある工夫が見られた。
今回の調査結果を受けて、各地方公共団体に対して公立学校施設における木材利用の促進に関する通知を発出。令和4年度より学校施設の内装木質化を標準化するとともに、引き続き木造校舎の整備に対する国庫補助を実施。関係省庁と連携を図りながら、講習会等様々な機会をとらえて木材を活用した学校施設づくりを普及・啓発していく。
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