倉庫等大規模な安全・防火・衛生上支障がない軒等でパブコメ

国土交通省は1月21日の締め切りで、物流倉庫等で荷さばき等を行うために設けている大規模な軒等に関して、「安全・防火・衛生上支障がない軒等」を規定した告示案について、パブリックコメントを募集している。

物流倉庫等では、雨天時の荷役・荷さばきを効率的に行うため大規模な軒・ひさし等を設けている場合がある。現行規定では、これらの軒等の1メートルを超える部分は建蔽率の算定の基礎となる建築面積に算入される。そのため、大規模な軒等を設けると、結果として建築面積が増大し、建蔽率規制との関係で建築物本体のスペースが十分に確保できなくなるという状況が生じていた。

これを受け、建築基準法施行令の一部を改正。今回の告示案では、工場又は倉庫での貨物の積卸し等の業務のために設ける軒等（軒、ひさし、はね出し縁その他これに類するもの）について、「安全上、防火上及び衛生上支障がない軒等」と、「軒等の端からの後退距離」を規定した。

具体的には、「安全上、防火上及び衛生上支障がない軒等」については、▽軒等の全部の端からその突き出た方向の敷地境界線までの水平距離のうち最小のものが５メートル以上であること、▽軒等の全部の各部分の高さは、当該部分から当該軒等が突き出た方向の敷地境界線までの水平距離に相当する距離以下とすること、▽不燃材料で造られていること――などとした。

また、「軒等の端からの後退距離」は、水平距離５メートルとした。パブリックコメントを踏まえ、告示は1月下旬に公布、4月1日の施行を予定している。