依然として社会・経済情勢は不透明で、住宅産業市場も変化のスピードが激しい。工務店経営の難易度は増している。一方で、住宅性能についても、法制度に加えて生活者ニーズも高度化しており、技術的なレベルアップも迫られている。各分野のスペシャリストの見立てから、2023年の経営・技術トレンドを見る。
ウッドステーション(千葉市)会長 塩地博文さん
2022年は、住宅業界における長年の課題が、いよいよ破綻に近づいた一年だったのではないか。デフレ下で定着した「コスト上昇の要因になるものは採用しない」という考え方が、ウッドショックに端を発する木材、資材価格の高騰によって破綻した。また、物価上昇と先行きの暗さから退場モードに入る職人も出始めた。
住宅産業が継続していくためにも、これら課題の解決策が明瞭にならなくてはいけない。そのひとつがDXだ。しかし、一部の業務をデジタル化しただけでは真のDXとは到底呼べない。ひとたび数値を入力すれば、限りなく横展開していくのがデジタルの世界だが、局所的な、クローズドなデジタル化は再入力の負担を強いるだけだ。
今は、設計から生産、資材調達、物流、職人手配、積算、引き渡し、アフターまでつながっていくDXが求められている。大型パネルは、設計図書を完全に分解し、材料生産と現場生産の双方をカバーする“部品”という領域をつくったが、これだけでは正しいDXになっていない。そこで2023年は・・・・・
続きは、新建ハウジング新春特集号(2023年1月10日発行)9面でお読みいただけます。
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