ライフスタイルや住まいに対するニーズが多様化するなかで、家づくりと経営を未来へと持続していくための地域工務店の“生き方”も多様化している。地域の人たちの暮らしや住まいを豊かにしたいという想いを抱き、設計・施工など地力を高めながら“らしさ”を磨くことによって、きらりと光る独自の存在感を放つ工務店の事例を追った。
「地域の人たちが快適、健康に暮らせる暖かくて省エネ性にも優れる住宅をつくる」。森大建地産(三重県伊賀市)は、それを実践する決意表明として2017年、当時、三重県内で初のドイツ・パッシブハウス研究所の基準に適合した認定パッシブハウスをモデルハウスとして開設。 以降、豊かな暮らしを支える高性能住宅を地域に供給し続けている。 今年は、そこで培った技術と知見を生かし、福祉分野へと事業領域を広げる。
建築家でi+i設計事務所(東京都新宿区)代表の飯塚豊さんや造園家で荻野景観設計(大阪府富田林市)代表の荻野寿也さんとコラボした同モデルハウスは、温熱性能だけでなく、意匠性や庭の美しさなども際立つフラッグシップモデルで、同社はここを発信拠点としながら、着実に高性能・高品質な家づくりの実績を積み重ねてきた。
同社社長の森秀樹さんは「家づくりを通じて、地域工務店として、地域の人たちの快適かつ健康的で経済的な暮らしを支えているという使命感、責任感を、今まで以上に強く感じるようになってきた」と話す。同社では今後、その使命感、責任感に基づき、住宅事業で得たノウハウを基盤に、地域福祉に貢献する事業も進めていく考えだ。
分かりやすい体感拠点を
モデルハウスを建設した当時は、住宅性能表示制度において、HEAT20のG2・3に相当する断熱等級6・7が新設され、省エネ基準の適合義務化を間近に控える今と比べると、住宅の断熱性能アップへの理解は広がっていなかった。そんな環境で、世界レベルのパッシブハウスを建築した理由について森さんは・・・・・
続きは、新建ハウジング新春特集号(2023年1月10日発行)16面でお読みいただけます。
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