YKK AP(東京都千代田区)は1月17日、都内で開いた方針説明会で2022年の業績の振り返りを公表した。2022年度の売上高は、初の5000億円超えとなる5063億円(計画比103%、前年比113%)と推定。一方で、資材高が減益要因となり、国内事業の営業利益は、推定で前年比マイナス55億円、計画比マイナス82億円と大きく減少した。
価格改定により170億円はプラスとなったものの、価格改定時期の遅れによりコストアップ分の約220億円を吸収することができなかった。ただ、今年1月には住宅関連商品、3月にはエクステリア関連商品の値上げを行う。堀秀充社長は、「2023年からは価格改定の効果が効いてくるのでコストアップ分のかなりの部分を吸収できる。次の魚津社長の下でいいスタートが切れる」と明るい見通しを示した。
国内事業別では、住宅事業の推定売上高は前年比105%を見込む。樹脂窓の推定売上高は、アルミ樹脂複合窓の116%に対して107%と、またこれまでの伸び率からしても「少し物足りない数字」(堀社長)。これは、住宅価格の上昇で、注文住宅中心の樹脂窓が苦戦したことによるもので、今後は分譲住宅も含めて樹脂窓を展開していくことによりさらなる売り上げ増を狙う。
4月1日から新しく社長に就任する魚津彰副社長は、「10年、20年先を見据えて高いターゲットを定めて全員でチャレンジしていく。世界の窓、カーテンウォールのリーディングカンパニーになる」と抱負を語った。今後の方針に①地球環境への貢献、②顧客への新たな価値提供、③社員の家族も含めた社員幸福経営——を掲げた。
また、4月からの役職手当、資格手当の拡充と昇給も発表。7月に昨年実施した3%の実績を超える昇給を行うとした。
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