大和ハウス工業(大阪市)は、屋根の放射熱を抑制して室内の暑さを緩和する「低放射折板(せっぱん)屋根」を開発し、1月から本格運用を開始した。
折板屋根の下面に、アルミ系遮熱シートとガラス繊維系断熱材を組み合わせた低放射裏貼材を接着することで、屋根の放射熱を抑えることに成功。2018年に実施した実証実験では、一般的な折板屋根と比較して放射熱を80%以上抑制し、室内の体感温度を3℃低減できることを確認した。
低放射折板屋根は、屋根材となる鋼板と低放射裏貼材を接着して工事現場に搬入されるため、一般的な折板屋根と同等の高い施工性と導入コストの抑制を実現。熱中症対策として採用される二重断熱折板屋根と比較すると、暑さの軽減効果は同程度でありながら導入費用を7割程度に抑えることができるという。
低放射折板屋根は、空調設備を導入しない新築の工場・倉庫などを対象に、2019年3月から関東・中部・関西圏で先行採用してきたが、2023年1月から36都府県(北海道、青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、新潟県、富山県、石川県、福井県、沖縄県以外)で、本格運用を開始する。
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