富士経済(東京都中央区)はこのほど、空調・熱源機器の国内市場を調査し、その結果を発表した。
2022年の空調・熱源機器の国内市場は、7252億円を見込む。2030年は7246億円(2021年比:5.3%増)と予測。2021年は新型コロナ流行の影響から一部でプロジェクトの遅延やユーザーの投資意欲の減退による更新案件の中止・延期がみられたために、市場は前年割れとなった。2022年は新型コロナによる投資控えからの回復、また、為替変動やそれに伴う部品・部材価格高騰の影響を受け、熱源機器、二次側機器両方で価格が高騰していることもあり、市場は拡大している。ただし、数量ベースでは、上半期における中国工場のロックダウンやウクライナ情勢を起因とする電子部品などの部材遅延、施工遅延などにより、微増にとどまるとみられる。
中長期的には、2025年頃までは都市圏を中心とした大型再開発、産業施設向けの増加により、市場は微増が続くと予想。それ以降は、業務施設などの建築物ストック数の減少に伴い、ファンコイルユニットなどは需要が縮小するとの予想を示す。一方で、エアハンドリングユニットなどは更新需要の顕在化や良好な室内空気質ニーズの高まり、ZEB化の推進などに伴い伸びが予想されるとする。
空調・熱源関連ビジネスの2021年の市場は3兆4829億円だった。
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