2022年の住宅市場の概況と23年の見通しを解説する。21年度は絶好調だった住宅市場だが22年は持家・リフォームが前年割れに。持家の新設着工は23年前半までは低調が続きそうだ。(「住宅産業大予測2023」から抜粋)
注文住宅市場
2022年1-10月までの新設住宅着工は全体で見ると71万9,908戸、前年比0.7%増で悪くはない。
ただし持家(新築注文住宅)は同10.7%減の21万2,008戸で、大幅に前年割れしている。
注文住宅は賃上げが不十分ななか原価高騰分の価格転嫁が進み、顧客が注文住宅よりも買いやすい分譲戸建と中古戸建に流れている。これが注文住宅市場が低調な一因だ。
後述するように、ハウスメーカーの注文住宅は総じて単価アップし、一般価格帯には分譲戸建と中古住宅で対応し始めており、その影響も出ている。
持家の新設着工戸数は、22年後半も集客・受注が低調で、また経済的・施策的に大幅な着工増につながる要因が見いだせないことから、低調な状態が23年前半まで続きそうだ。
22年度の持家の新設着工は21年度の28.1万戸から7%前後減少、26万戸前半で着地。23年度は景気やマインドの回復もあって後半には持ち直し、横ばいから微増の26万戸後半になると予測する。[図]に示したのは建設経済研究所の予測値で、筆者とは若干異なる数字を挙げている。
分譲戸建市場
分譲戸建の2021年度の新設着工戸数は20年度が大きく落ち込んだ反動か、前年度比11.4%増の14.4万戸で大幅に増えた。22年に入ってからも・・・・・
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