米労働省労働統計局が昨年12月に発表した「生産者物価指数(Producer Price Index)」で、建材価格が0.3%下落し、ほぼ横ばいだったことが明らかになった。前月(-0.1%)・前々月(-0.5%)に続く微減で、6か月中5か月の下落は2015年以来。木材価格が正常化に向かう一方、生コンと石膏建材の価格は年初来で10%以上上昇しており、高騰状態にある。
針葉樹材の生産者物価指数は0.1%下落し、4か月連続・過去8か月で7度目の下落となった。直近のピークである2022年3月から42.2%下落しており、この2年間の最低水準に近い。しかし、一部の木材加工品の値上がりには注視する必要がある。木工製品の価格は2021年1月から25.9%上昇しており、同期間で24.4%下落した針葉樹材価格とは対照的な値動きとなっている。
鉄鋼製品の生産者物価指数は前月(-5.5%)に引き続き下落し、マイナス3.0%となった。2022年5月以降、鉄鋼製品の価格は6か月連続で下落しており、22.9%値下がっている。指数は2021年5月以来の最低水準にあるが、下落ペースには鈍化傾向が見られる。
生コンの生産者物価指数は1.1%上昇し、激しいペースで推移していると言える。価格は過去22か月のうち、ひと月を除く23カ月で全て上昇し、合計で20.0%上昇した。年初来では10.7%の上昇となる。価格の高騰ペースに関しては、米国が住宅バブル真っただ中にあった
2005〜2006年に近いものとなっている。
石膏製品の生産者物価指数は0.5%上昇し、前月の微減を相殺したかたちで横ばいとなった。しかし、価格は年初来で11.4%、前年比で18.0%、2021年1月からは39.3%も上昇しており、依然として高騰状態と言える。2022年における石膏製品価格の上昇ペースは月平均で1.0%で、2021年の1.6%と比較すると鈍化している。
トラック輸送費・海上輸送費・鉄道輸送費はすべてにおいて上昇した。5か月連続で下落が続いていたトラック輸送費は、1.0%の上昇に反転。海上輸送費・鉄道輸送費は、それぞれ1.5%・0.6%の上昇となった。いずれの輸送手段でも前年比・2021年1月比共に上昇が著しく、特に遠洋輸送費は、2021年1月から60%以上高騰している。
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