厳しい市場の一方で、コロナ禍に伴う人々の価値観やライフスタイルの変化、それによる住まいに対するニーズの変化は地域工務店の追い風にもなっている。変化をチャンスとしてとらえるチェンジリーダーたちのビジョンから、次の時代へと続く家づくりと工務店経営のあり方を探る。
サトウ工務店(新潟県三条市)社長 佐藤高志さん
SDGsが掲げられ、脱炭素社会に向かう流れのなかで、地域工務店には非常に大きな可能性があると確信している。地域の木を使って、地域の職人たちの手でつくる「地材地建」の工務店の家づくりは、地域の環境保全や経済振興に貢献する。これからの時代の住宅産業市場では、地域工務店こそが最強ではないか。いまでも在来工法による注文住宅の半分以上を地域の工務店が担っており、さらにそのうちの半分以上が年間10棟未満の本当に小さな工務店が占めている。つまり、われわれ小さな工務店の進化は、日本の住宅を変えるポテンシャルを秘めているということになる。
「新築には重い責任が伴う
こうした状況のなかで地域の工務店は今後、社会に対してある種の使命感と責任感を持って家づくりに臨む必要がある。コロナで大きく世の中が変わったように、これからも国難級の災害や想定外の出来事が起こり、われわれの業界にも大きく影響することを覚悟しなければならない。平時が普通ではない時代だ。想定できる範囲だけでも未来の社会に役立つこと、そのためにどこに投資するか、今やるべきことは何かを明確かつ具体的に考えながら、自社の経営や家づくりに落とし込む必要がある。
例えば、・・・
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