全国建設労働組合総連合(全建総連)がこのほど公表した「工務店の国産材利用の実態調査アンケート」結果によると、ウッドショックを機に外国産材から国産材への切り替えが大幅に進んだことが分かった。4割超の工務店が柱材や横架材を国産材に転換したと答えている。同調査は昨年9月22日から11月15日にかけて全建総連の公式サイト上で実施したもので、27都道県・366社が回答した。
ウッドショックを経て国産材製品に転換した工務店は、柱材で45.1%、横架材で44.5%、羽柄材で42.6%に達した。土台等は39.9%、面材は33.6%、内装材・造作材は32.8%。転換しなかったと見られる「無回答」は、いずれの部材も半数程度だった。68.7%が「自社で独自に(樹種を)選定する」または「自社から施主等に(樹種を)提案する」と答えており、自社の考えで国産材を選んだことが分かる。
これまで国産材を使用しなかった理由について、「外材の方が安い」(63.4%)、「希望価格・納期などの条件に合うのが外材だった」(32.9%)、「外材の方が入手しやすい」(31.5%)との回答が目立ったことから、外材の高騰により両者の価格差が縮まり、比較的入手しやすい国産材を選ぶケースが増えたと考えられる。
国産材を使用する割合は、土台等(53.6%)、柱材(52.0%)で高く、次いで羽柄材34.9%、横架材27.3%、面材26.6%、内装材・造作材23.8%の順だった。
■「価格の監視体制が必要」との声も
個別意見では、価格に関する要望として「外材よりも安く提供してほしい」「国産材も値上がりした時期があり価格の監視体制が必要」「国産材を使う工務店に何らかの優遇を」といった内容が見られた。他に「品質、価格、供給量を安定させてほしい」「納期等がはっきりしていれば使いたい」など、国産材の安定的な供給や流通を望む意見もあった。
国産材の品質については「反り、ひねりが多い」「丸太が小さく品質・性能(強度)が悪い」「材質のバラつきが多い」といった不満の声が寄せられた。その一方で、「創意工夫で国産材も利用できる」「国産スギ・ヒノキによる構造用合板の増産体制の構築が望まれる」「国産の集成材の種類を増やしてほしい」などの意見があり、集成材の原料を国産材とすることが木材・木質資材の安定供給につながるとの見方が広まっている。
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