積水化学工業(大阪市)は12月2日、次世代太陽電池として期待されている「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」について、東京都と共同研究を開始すると発表した。2023年春から都下水道局の「森ヶ崎水再生センター」にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置して、発電量のモニタリング、腐食耐久性の確認などを行う計画。
「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」は、軽量で柔軟という特長を持つ。現在普及しているシリコン系太陽電池は重量などによって設置場所が制限されてしまうが、「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」はビルの壁面や耐荷重の小さい屋根にも設置可能で、さらに曲面にも対応できることから、再生可能エネルギーの普及拡大・カーボンニュートラルの実現に大きく貢献することが期待されている。
同社では、業界に先駆けて屋外耐久性10年相当を確認。30cm幅の製造プロセスを構築し、発電効率15.0%の製造に成功している。2025年の事業化を目指している。同社は、公共施設がフィルム型ペロブスカイト太陽電池の設置場所として「脱炭素社会の実現に貢献する重要な潜在市場の一つ」としており、JR西日本が開業を目指す、「うめきた(大阪)駅」の広場部分に設置することを計画している。
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