「家づくりで後悔したこと」アンケート上位に「収納」が上がる理由は、住まい手の持ち物の量や生活動線まで設計者が把握していないことに起因します。
「住宅収納スペシャリスト」の川島マリ氏による、設計士と施主と一緒につくり上げる住みやすい収納間取り実現のための1冊である『はれやか「収納マップ®」』は、整理整頓や片付け方法を中心とした収納本ではありません。家づくりやリフォームをきっかけに、住まい手が自身の持ち物を棚卸して、間取り図にモノや生活動線を書き込む“家づくりの地図”のようなもの。今回は本書P.48を抜粋し、紹介します。
持ち物の棚卸し 持ち物リストの確認
家に何があるか聞かれてもすぐには思いつきませんが、一覧表を見ながらなら持っているかどうか考えることはできますね。
家庭によって持ち物は違うため、全てを細かく把握することは難しいですが、家の中で人が行う行為(やること)から連想して使うモノを考えると簡単です。
野菜炒めをつくるなら、包丁とまな板を使って野菜を刻んでボウルとザルで野菜を洗い、フライパンに油を敷いてフライ返しで野菜を炒めながら調味料で味付けをしてお皿に盛ります。
この一連の行為は、どこの家庭でもそれほど変わらないので、家の中にあるモノは行為に合わせてリスト化することができるのです。
P.50からはじまる①~③のリストは行為ごとにまとめてあります。家の中のどこで誰が何をするのか考え、使う場所から一番近い位置を収納先と決めれば、出し入れする動線の短い収納先が決まります。
この時、一緒に使うモノや同じ種類のモノをグループとしてまとめておくと利便性のよい収納になります。モノは少ないのに使いやすい収納にならない人は、上手くグループがつくれていない場合があるので、リストの分類を参考にモノのグループをつくってみましょう。
①~③のリストの家族の横の欄には、個人の名前を記入し色を決めます。表を見て持っているかどうか確認しながら使っている人の色を塗っていき、個人で管理する洋服や靴は個人の欄へ、みんなで使うモノは、家族の欄に色を塗れば、誰の所有物でどこに置けばいいのかが一目でわかります。
また、色を塗りながら、置いてある場所がゴチャゴチャしていると思ったら、整理処分の欄にをつけます。
つい多く持ちすぎてしまうモノは「いくつあれば生活できるだろう」と考えて、必要だと思う数(適正量)を欄の中に記入します。洋服、靴、食品保存容器、空き瓶、傘、タオルなど、メモ欄も使いながら記入した数(適正量)をもとに考えると整理しやすくなります。
④のリストは、ストック品や使用頻度の低いモノを一覧にしています。いつもまとめ買いをするなら、ストック品の収納場所も考えておかないといけません。思い出品も収納する場所を決めておけば、引っ越し後も迷いません。
⑤のリストは、家具や家電、インテリア用品を使いそうな場所ごとにまとめてあります。買い替えることがあまりないモノなので、一度サイズを測って記入しておけば引っ越しや模様替えのたびに測らずに済むので便利です。
気づいたことや決意なども自由にメモ欄へ記入します。
一つずつリストを見ていくと、持ってはいたけれど何年も使っていないモノ、多すぎるから減らしたほうがいいと思うモノが可視化されます。また、片付かなくて困っているモノの所有者もはっきりするので、次のアクションを起こしてもらいやすくなります。
続きは『はれやか「収納マップ®」』をご覧ください。
『はれやか「収納マップ®」』は
こんな人におすすめ!
〇家づくりを考えはじめた
〇片付く家に住みたい
〇何を入れたらいいかわからない収納がある
『家づくりで後悔したこと』アンケートで上位にランクインする「収納」の悩み。
そうならないように、収納計画は家づくりのときからスタートさせるのが大切です。
本書は、整理整頓や片付け方法を中心とした収納本ではありません。「住宅収納スペシャリスト」の川島マリ氏による、家づくりやリフォームをきっかけに、新居の片付けのストレスから解放されるための 「収納マップ®」 づくりのススメ。
「収納マップ®」とは…本誌を使いながら今ある持ち物を棚卸して、間取り図上に収納してあるモノや、そこで行う行動等を書き込んだもののこと。新居に持っていくモノの量をしっかり確認し、設計士との打合せに持参することでモノの使いたい場所や収納サイズ、家族の動線などを、新居の間取りに反映させることができるので、住む人の暮らしにぴったりあった家づくりへとつなげることができます。
住む人自身の持ち物や日常の生活動線の把握をするため=収納計画を立てるために、この本と間取り図に持ち物を書き込んで「収納マップ®」をつくり、設計士と一緒に使いやすい収納間取りを実現させましょう!
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