東京カンテイ(東京都品川区)はこのほど、11月の主要都市における新築一戸建て(土地面積100m2以上300m2未満)と新築小規模一戸建て(土地面積50m2以上100m2未満)の供給動向を発表した。
新築一戸建ての平均価格は、首都圏(1都3県)が前月比0.7%増の4381万円と2カ月連続で上昇。東京都は0.7%減の5332万円と3カ月連続で下落した。神奈川県は4833万円(1.6%増)、埼玉県は3757万円(0.5%増)とそれぞれ2カ月連続で上昇、千葉県は3730万円(0.8%増)と5カ月連続で上昇した。東京都のみ連続で下落しているが、10月に続き市場は上昇傾向が強い。分譲戸数は概ね回復し、土地面積が拡大する傾向も見られる。
近畿圏(2府4県)は、前月比2.3%増の3630万円と2カ月連続で上昇した。大阪府は3719万円(1.0%減)と2カ月連続の下落となったが、兵庫県は3846万円(6.1%増)と2カ月連続で上昇。京都府は4108万円(15.4%増)と大きく上昇した。都市別でも大阪市以外は反転上昇しており、全体的に好調を維持。兵庫県と京都府が価格を牽引している。
中部圏(4県)は、岐阜県・三重県の下落が影響し、前月比1.5%減の3377万円と反転下落した。名古屋市は4253万円(0.5%減)と連続で下落したものの、愛知県全体では3685万円(0.3%増)と2カ月連続で上昇し、前年同月比6.9%増となった。
■首都圏の新築小規模一戸建ては下落
新築小規模一戸建て住宅の平均価格は、首都圏で前月比3.2%減の5046万円と反転下落した。東京都は6133万円(3.6%減)、神奈川県は4644万円(2.1%減)、千葉県は4310万円(0.5%減)、埼玉県は4293万円(1.6%減)となり、10月の全面的な上昇から一気に下落に転じた。全ての都県で下落したのは2017年6月以来。都市別では、23区と都下、横浜市で反転下落し、川崎市、相模原市、千葉市、さいたま市で上昇した。千葉市は花見川区幕張地域の供給増加により、30.4%増の4162万円と大きく反転上昇した。
近畿圏は、前月比0.8%減の3790万円と10月の全面上昇から反転下落。大阪府は3695万円(0.3%減)、京都府は3734万円(5.2%減)と反転下落したが、兵庫県は4152万円(0.4%増)と4カ月連続で上昇した。兵庫県は今回、調査対象都府県で唯一の上昇となった。都市別では、大阪市は4162万円(0.2%減)、堺市は3532万円(3.2%減)、京都市は3981万円(2.9%減)と反転下落。神戸市は4379万円(8.0%増)と3カ月ぶりに反転上昇した。
中部圏は、前月比1.0%減の3903万円と3カ月ぶりに反転下落し、前年同月比では4.8%増と前年水準を若干上回った。愛知県は3961万円(0.5%減)と3カ月ぶりに反転下落、前年同月比では4.9%増となった。名古屋市は4097万円(0.4%減)と反転下落したが、前年同月比は6.0%増とプラスを維持した。
11月は、価格の上昇傾向が継続していた市場に変化がみられ、全圏域で下落となった。
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