「こどもみらい住宅支援事業」の予算が11月28日に上限に達し、申請受付を終了したことについて、国民民主党の玉木雄一郎代表は12月13日に開かれた記者会見の中で、同支援事業を受けられなかった人たちへの救済措置の必要性を述べ、国土交通省との交渉に当たる姿勢を示した。
玉木代表は会見で「今、『こどもみらい難民』が発生している。中には資材価格の高騰のために着工を待っていたところ、事業の終了で支援が受けられなくなったケースがあると聞く。同じ制度でつなげれば良かったが、後継の『こどもエコすまい支援事業』は別事業の扱いとなっており、その隙間に入って支援が受けられなくなっている。政府全体として推進している政策であるため、自動車のCEV補助金と同様に、同じ制度で空白をつないで適用することはできないものか」と話している。
「こどもみらい住宅支援事業」は子育て支援および2050年カーボンニュートラルの実現、省エネ性能を有する住宅ストック形成などに向けて2022年3月28日より開始。新築住宅では省エネ性能などに応じて60万円~100万円、リフォームでは5万円~60万円を補助するもので、令和3年度補正予算時に542億円、令和4年度予備費などで600億円を計上した。契約・交付申請期限は当初2022年10月31日を予定。その後、原油価格・物価高騰による着工数の伸び悩みを想定し、4月26日に申請期限を2023年3月31日まで延長している。
実施状況については毎月公開され、申請金額は8月には432億674万円、9月には561億6974万円を達成。11月17日には「予算額の75%を超えた」との発表があった。予算上限に達した場合、申請期限前でも予約を含む交付申請の受付が終了することから事業者の対応が急がれたが、11月28日午前0時時点で93%、同日午後5時53分に100%に達した。
政府では後継事業として、2022年度補正予算で「こどもエコすまい支援事業」(1500億円)を計上。ただし11月8日以降の契約を申請条件とし、事業者登録前の着工分は補助金の対象外となっていることから、いわゆる「こどもみらい難民」が発生する要因となった。
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