矢野経済研究所(東京都中野区)は9月25日、2012年3月〜8月に行った国内家庭用・オフィス用家具市場の調査結果を発表した。
2011年の家庭用家具市場規模は、新設住宅着工件数の増加にともない前年比1.4%増の6353億円と推計。2012年は東日本大震災の復興需要やマンションの開発などにより、前年比4.7%増の6650億円になると予測する。
新築需要とブライダル需要の下支えで成長してきた家庭用家具市場だが、近年それらが縮小していることから中長期的にみるとこの市場も減少傾向で推移する。その背景には、クロゼットなどのビルトイン家具の普及により新築時の収納家具需要が減ったこと、婚姻件数そのものが減っていることに加え、結婚時のセット家具購入が廃れ個別購入するケースが増えていること、晩婚化により家具の新規購入の必要がなくなっていること―といった事情があるとする。
今後、家庭用家具は「品質の良いものを愛着を持ってメンテナンスしながら長く使用したい」と考えるこだわり層をターゲットにした高付加価値型商品と、廉価商品の二極化が進むと分析している。
一方、2011年のオフィス用家具市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比5.4%増の2613億円に。震災で倒壊した収納棚の買い替え、転倒防止機能を備えた家具への買い替えなど震災関連需要の増加が市場を押し上げた。2012年も引き続き増加傾向で推移し、市場規模は前年比7.2%増の2800億円と予測した。
調査結果は「2012年版 家庭用・オフィス用家具マーケットの展望と戦略」にまとめた。A4 判390頁で定価11万250円。
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