社員大工が腕を振るい、自然素材を用いた「親子3世代、100年続く家」を届ける千葉県柏市の小川工務店を訪ねた。社長の小川勝利さんが創業して48年、大工の確かな技術による安心・安全の家づくりが地元から厚い信頼を得ている。
北海道旭川市出身で現在78歳の小川さんは、大学進学を機に千葉県に来た。大学での学びは面白かったものの、卒業にあたり「このまま普通のサラリーマンになるのはつまらない。手に職をつけられる大工になろう」と思い立った。小川さんによると当時、大工になるためには、中学校を卒業すると同時に棟梁に弟子入りするのが一般的で、22歳で大工を志す小川さんは異色の存在だったという。弟子入りした棟梁には、住みこみで面倒を見てもらった。小川さんは「出遅れた分を埋める」ため、5年間の厳しい下積み生活で懸命に学び、一人前として認められるようになった。その後、さらに宮大工として3年間、技術を磨き、30歳で小川工務店を創業。小川さんは「大工としてお客さんに長く喜んでいただける家をつくりたいと思い、この会社を立ち上げた」と当時を振り返る。
大工志望の若者が県外からも
現在、社員大工は5人。小川さんは、2003年に県内の卓越した技能者に送られる「千葉県の名工」として表彰されたこともある。大工の技術を生かした家づくりや大工の育成については業界内外で定評があり、県外からも「大工になりたい」という若者が同社への就職を希望してやってくる。同社常務の坂井信介さんは「社員大工がいることで、安定した品質・性能を担保し、工期を管理しやすくなる」とし、「それは施主との信頼関係にもつながる」と話す。
小川さんは大工を社員として雇う理由について・・・・
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