ツクルバ(東京都目黒区)と丸井グループ(東京都中野区)は12月12日、リノベーションによる脱炭素効果の評価結果を発表した。両社の共創事業であるワークラウンジ付きコミュニティ型リノベーション賃貸マンション「co-coono(コクーノ)上北沢」(東京都杉並区)を対象に、国士舘大学朝吹香菜子研究室(朝吹香菜子准教授および学生3名)協力のもと実施した。同規模の新築に建て替えた場合と比較すると、既存建物解体・設計監理・資材製造・建設段階におけるCO2排出量は84%(約544t)削減、廃棄物排出量は96%削減することを確認した。CO2排出量の削減は、杉林約62ヘクタール分、東京ドーム約13個分に相当する。
「co-coono 上北沢」は、1993年竣工の社員寮(延べ床面積572.23㎡)を1棟リノベーションした5階建ての賃貸マンション。賃貸部分の2階から4階では、既存建物の仕上や設備の一部を補修・クリーニングしたうえで再使用しており、リノベーション後の内装・建具・設備の資材量に対する再使用割合は重量ベースで79%にのぼる。躯体の再使用も加わり、CO2排出量・廃棄物排出量の削減率向上につながったとしている。また、共用部や5階のシェアハウス、ワークラウンジの電力は再生可能エネルギーを使用し、CO2排出量は年間約14.4t削減の見込み。太陽光発電パネルの自家発電に加え、UPDATER(東京都世田谷区)の「みんな電力」を採用し、入居者にも加入してもらうことで再生可能エネルギー電力100%をめざすという。
両社は、「co-coono」ブランドを通して、リノベーションによって住まいを次世代につなぎ、持続可能で環境にやさしいストック活用型社会への転換をめざしている。今回の取り組みによって、リノベーションや再生可能エネルギーの利用が脱炭素社会におけるソリューション提案になると確認。今後も、同ブランドや中古リノベーション不動産の流通促進を通してCO2排出量や廃棄物排出量を削減し、脱炭素社会実現に寄与するとしている。
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