玄関は住宅の顔であり、内外を行き来する使用頻度の高い場所である。玄関周りに求められる多様な機能や意匠の要素をどのように整えていくのか。「箕田の家」「下野の家」「常磐の家」を題材に、ひさとも(三重県四日市市)の松本氏と小林氏に伺った。
箕田の家① 玄関とカーポートの配置の考え方
◉最初に「箕田の家」の玄関周りの設計手法を紹介する。この敷地は東と北の2面に接道。北側は道が細いので車の出し入れには使えないため、東側に駐車場を配置することに
➡地域柄、家相を気にする人が多い。この事例の場合、玄関の位置は家相に基づいて決まった
◉事例の敷地は人通りが多い。プライバシー確保のためコの字のプランに してLDKを通りから見えないように配慮。土地がやや台形なので玄関周辺が変形になった
◉カーポートは外観を崩すので省略。玄関前に2、3台停める場所を設けた。駐輪場は勝手口の洗濯干し場の脇に設置。全般的にカーポートなしが多い。強く要望された場合は母屋に組み込む
箕田の家② 玄関周りの高さ関係
◉基本的に設計GLから1階床高さまで550 〜 560㎜程度。その高さを基準として、隣地や周囲の敷地の高さ地盤面の高さを調整。玄関土間は1階FLから180㎜下げる。玄関ポーチはさらに20㎜下げる
◉地盤面からアプローチ、玄関ポーチは、1段あたり60〜 80㎜ずつ2 〜 3段で上げていく。降雨時など足元が悪いときもあるので、1段あたりの高さを抑えて滑らないように配慮
➡背が高い建物に見えないように軒の高さをなるべく抑える。周りの家に比べるとこじんまりした印象にまとめる
箕田の家③ 玄関周りの各部の寸法
◉この事例の玄関ポーチは軒下で傘が差せることと三輪車やベビーカーを置ける場所を要望されたため、間口を通常より少し拡げた。自転車を置いたりベンチを設ける場合はさらに広くなる
➡広さを求めない場合は・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー12月号(2022年12月10日発行)/テラス・ポーチ・カーポート 超鉄板ディテール<半外部編>』(P.44~)でご覧ください。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。