外部空間をどのように、どれだけ室内に取り込むか。それにより暮らしの質は変わる。その要が半外部空間。耐久性や実用性を満たしつつ、いかに意匠的に洗練させるか。堅実な材料選択と簡潔な納まりで評価の高い、山口工務店(新潟県阿賀野市)の山口雅和氏に同社の設計手法を聞いた。
ポイント① 半外部の空間の重要性
◉建物配置の大原則は南側に開いて日射取得を確保すること。接道が南側の敷地の場合、カーポートは建物の一部と重ねて手前に配置。接道が北側の場合、建物は南に開いてカーポートは北側に配置
◉リビングの配置は外との関係で決める。借景や庭がある方角に開き、好ましい景色だけを窓で切り取る。見たくない景色は壁で塞ぐ。外部環境の取り入れ方を調整すると室内環境が豊かになる
◉リビングの掃き出し窓の先にはなるべくウッドデッキを設ける。ウッドデッキにより物理的にも外部とつなげる。子供が外で遊びやすくなるほか家族によるバーベキューなど憩いの場となる
◉これらの半外部空間には屋根が掛かっていることが大事だ。小雨程度なら利用できる環境に整えておくことで、ウッドデッキの活用率がぐっと高まり、内外の行き来が活発になる
◉ウッドデッキに加えて、リビング土間とテラス土間を採用することがある。靴を脱がずに室内に入れるので、ウッドデッキより外とのつながりが強くなる。庭仕事が好きな建て主に向く
➡リビング +ウッドデッキは内から外へと誘引する効果が、リビング土間+テラス土間は外から内に入りやすくする効果が高い
ポイント② LDKの窓配置の基本
◉窓には樹脂サッシ+Low-Eトリプルガラスを用いることが多い。基本的にはYKK APのAPW330真空トリプルかAPW430だ。価格がこなれているほか APW330は戸先錠ですっきり見えることも評価。APW430はクレセント錠のみだが少し断熱性能が高い
◉リビングの引違いの掃き出し窓の最大寸法は2200×2600㎜。その範囲で窓を設計する。昨今は・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー12月号(2022年12月10日発行)/テラス・ポーチ・カーポート 超鉄板ディテール<半外部編>』(P.25~)でご覧ください。
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