東京大学工学部/東京大学大学院工学系研究科はこのほど、バイオエンジニアリング専攻/電気系工学専攻の松井裕章准教授らの研究グループが、高い可視・電波透過性をあわせ持つフレキシブルな透明反射遮熱フィルムの開発に成功したと発表した。省エネガラス窓への応用などに期待されるとしている。
高い可視・電波性をあわせ持つ省エネガラス窓への応用に向けて、従来技術では難しかった高い可視・電波透過性をあわせ持つ透明反射遮熱技術を、酸化物半導体ナノ粒子間界面の空間的制御を表面プラズモン技術に応用することで、透明反射遮熱フィルムの開発に成功したという。
酸化物半導体ナノ粒子の近赤外表面プラズモン制御は、ZEB/ZEH分野や、Low-E技術に関係する省エネ社会に貢献し、特に、5G(6G)等の高度情報通信が可能な高い電波透過性をあわせ持つ透明反射遮熱フィルムへの応用が期待される。
同研究グループは「建物・住宅から自動車分野まで幅広い反射遮熱に向けた光熱技術となり、極めて高い社会的意義があります。また、高い電波透過性をもつ本フィルム試料は、5G(6G)等の情報通信で必要なマイクロ波帯域を遮断しません。将来的には、高断熱住宅等のLow-Eガラス等への適用も考えられ、低熱放射技術に向けた重要な材料になる事が期待されます」としている。
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