内外をつなぐ半外部空間は住宅の活動性ややすらぎを左右する。外部に晒されるため耐久性は不可欠だが、優しい雰囲気と省コストも重視される。多様な要求が絡まる半外部空間を最小の手数で納める、設計施工の手法を菅沼建築設計の菅沼悟朗氏に聞いた。
ポイント① 犬走りはなるべく省略する
◉住宅の半外部空間にはコンクリート工事が付き物。一方、昨今は建築資材の高騰で省コストを求められる。生コン自体の価格も上がっている。外構のコンクリート工事は必要最小限にしたい
◉同社の現場では、半外部のコンクリート工事はなるべく省略していく。その一例が犬走り。犬走りは建物への水はねを防ぐほか、エアコン室外機やプロパンガスボンベを置くのにも便利な場所だ
➡一方、コストが掛かり、埋設の配管が隠れてしまうなどのデメリットもある
◉上記の利点は代替手段で対応できる。水はねは下記の方法で防げる。建物の際を100㎜ほど掘って防草シートを敷いてピン止め。砕石を敷き均す。砕石敷きにより浸透性が高まり、水はけも改善する
◉エアコン室外機やプロパンガスボンベなどの設置は、下記の方法で対応する。まず防草シートを敷いてピン止め。その上にコンクリート平板を載せる。その上に室外機などを置く
◉防草シートは1m幅ひと巻50mで5千円程度の安価な製品だと意味がない。雑草はシートを簡単に突き破る。1m幅ひと巻50mで1万円程度のゴムシートを用いると長期間、雑草を抑えられる
◉ウッドデッキの下部にも土間コンが施工される。機能的には防草シート+コンクリート平板で対応できる。ただし、この部分は面積が少ないため、同社でも土間コンを打つことが比較的多い
➡ウッドデッキの平均的な寸法の2坪なら7万円程度だ。雑草を確実に防ぐ効果を考えると費用対効果が高い。
◉ちなみに犬走りを施工する場合、幅750㎜、設計GLから30㎜上がりで15㎜の水勾配を取る(2%)。ベース部分は直径5㎜のメッシュ筋を入れる。300㎜間隔で異形鉄筋D10を後打ち。母屋の基礎とつなぐ
ポイント② 駐車場①土間コンを省略して砕石敷きに
◉予算調整で省略しやすいのが、駐車場などの土間コンクリートの施工。面積が大きいこともあり、少なくても数十万円以上は掛かる。昨今は土間コンの代わりに砕石敷きなどで代替することが多い
◉土間コンの施工は・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー12月号(2022年12月10日発行)/テラス・ポーチ・カーポート 超鉄板ディテール<半外部編>』(P.72~)でご覧ください。
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