LIFULL ArchiTech(東京都千代田区)は、名古屋工業大学と愛知県南知多町と共同で、「インスタントハウスの施工技術を応用した耐震改修と断熱補強による空き家の利活用促進実証事業」を開始した。
これまで市場に流通させることができなかった老朽化した空き家の利活用を容易にするためのもので、同社が保有するインスタントハウスの施工技術を応用し、空き家の耐震性能及び居住性能を低コストで向上させる技術の実証を行う。放置されやすい老朽化した空き家を耐震性と居住性が担保された状態で一時的に延命し利活用することで、将来的に必要となる解体に係る費用を捻出可能とする事業モデルの構築を目指す。
実証事業では3者が連携し、南知多町内の空き家調査・選定や、空き家を模したモデルへのインスタントハウスの施工実験、実際の空き家への施工実験などを行い、耐震性能及び居住性能の検証、検証結果の取りまとめを行う。また、施工後の空き家を利活用する事業モデルの検討も行う。これらの取り組みにより、空き家バンクへの登録数の増加が望めるほか、インスタントハウス施工技術を耐震改修の新たな手法として普及させることや特定空き家などの発生の予防が期待される。
インスタントハウスは、東日本大震災をきっかけに開発された簡易住宅。施工は、三次元形状に加工した膜素材を膨らまし、その内側から空気含有量の高い軽量な素材を定着させ行う。形状や大きさも必要に応じて自由に選べ、質量が小さいことから素人でも制作が簡便で、ひとつの建屋の工期は数時間と短い。断熱性や遮音性が高く、廉価性・簡便性・速度性・技術性・汎用性にも優れている。
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