国土交通省は11月29日、「気候風土適応型プロジェクト2022」(令和4年度サステナブル建築物等先導事業・気候風土適応型)の第2回提案募集で、4件の応募の中から、片山華子一級建築士の横瀬住宅新築工事プロジェクトを採択したと発表した。
建設地の状況や地域性を十分に読み取り、軒庇や材料による夏期や冬期への対応、開口部や建具の工夫による日照・採光・通風の確保、地域景観などを設計に生かし、特徴づけた点が本事業による支援対象として適切な提案と評価された。
具体的には、「地域の自然的環境との関わり」では、▽大きな引違い窓を設け家中を風が抜けやすい窓配置とすることで夏期の風の取り込みに対応している。▽深い軒の出による夏の日射遮蔽効果と障子による日射の制御に対応し、屋根と外壁に通気層を設け熱を逃がす取組みをしている。▽床、野地板の厚板にスギ材を使用し冬の冷気を伝わりにくくすることで冬期の対応をしている。▽厚さ90mmの土壁と輻射熱を用いて蓄熱性を持たせ、輻射熱を主体とする暖房器具により蓄熱を図っている。▽土壁による調湿効果による冬期の結露対策に対応している。「地域の文化・技術の継承等」では、▽建設地に近い山から産出される木材や石灰石を原料とするコンクリートを使用している。▽地域で使われている土、柿渋、和紙、畳などを可能な限り利用している点などが評価された。
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